バウハウス・デッサウ展
‘バウハウス‘はドイツ語で‘建築の家’を意味します。1919年から1933年まで芸術に関する総合教育を行った造形芸術学校でその後の建築をはじめ、芸術思想・芸術教育に大きな影響を与えています。
デッサウはこの学校が1925年にワイマールから移転して1932年まで教育を行った地です。校長を務めた建築家グロピウスの設計による校舎が現存して、ユネスコの世界遺産に登録されています。
この展覧会では、デッサウの学校の教官であったカンジンスキーやパウル・クレーに指導されて学生たちが制作した色彩や造形などの作品が多数出品されています。カンジンスキーやクレーの作品もあります。教育の成果としての作品のほかに工房でのプロダクトも数多く出品されています。
グロピウス校長は「あらゆる造形の最終目標は建築である」と宣言しています。家具・調度品・食器などの日用品から写真・広告・建築に至るまで、「芸術」と「技術」を統一して造形活動を行ったことが作品から読みとれます。
コンクリートやガラスを多用した建築、斬新なデザインによる家具や調度品などは現代に通じるものがあります。会場ではバウハウスでデザインされた家具や食器などの販売も行われています。
舞台芸術なども含む幅広いジャンルを‘芸術’としてとらえとことは館内で上映される動画でよくわかります。
通常の絵画展とは違う地味な内容ですが、20世紀の芸術の歴史を知るために教えられるところの多い展覧会でした。
浜松市美術館で9月7日までです。
美術館HP http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/artmuse/index.htm
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