200年前のピアノによる演奏
今から200年前に製作されたピアノによるすばらしい演奏を聴きました。 ピアノはウィーンのワルター父子の製作したもので、製作年代は1808-10年頃とされています。ベートーヴェンがピアノ協奏曲第5番「皇帝」を作曲したのが1809年ですから、まさにベートーヴェン時代のピアノということになります。
6オクターブで今のようなペダルはなく、膝で操作する3枚のレバーがあります。
画像は演奏会終了後携帯で撮影したものでかなりぶれています。
このピアノは浜松市楽器博物館の所蔵品です。博物館に展示するだけでなく、演奏会で使用したり、CD録音などでも演奏できるよう‘動態保存’されており、綿密に調律されています。この日、会場はクーラーが効いて寒かったのですが、これはピアノの調律の状態を保つためというアナウンスがあり納得でした。
ピアニストは古楽の優れた演奏家である小倉貴久子さんです。ヨーロッパのコンクールで優勝するなど高い評価を得ています。
この日の演奏曲目は3曲でした。
1 モーツァルト 「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲 ハ長調
2 ロゼッティ ソナタ ト長調
3 ベートーヴェン 自作主題による6つの変奏曲 ヘ長調
モーツァアルトの曲は「きらきら星変奏曲」としてだれでも知っている曲です。正式名称は上記のとおりで、年頃の娘が恋人を想う心を母親に打ち明ける歌です。
作曲者が生きた時代のピアノによる演奏は、作曲者の指示を忠実に表現することができて、曲そのものの原点を感じさせます。
この日(4日)の演奏は、浜松市アクトシティ音楽院主催の「音楽探訪」2008の第2回の一部として行われたものです。静岡文化芸大教授の平野昭先生による「音楽探訪」は今年で6年目を迎えました。今年の主題は「ロマン主義ピアノ音楽の変遷-モーツァルトからショパンまで」で、前回と今回は変奏曲特集でした。
平野先生のトークの途中で小倉さんの飛び入り演奏もあって楽しいレクチャーでした。
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